大っ嫌いなアイツに恋をした。
もしかしたら
キス……してたのかな……
でもアイツとそんなこと…絶対ありえない。
橘だって女の子なら誰だっていいってやつでしょ。
女…ってあたしはそう思われていないんだっけ。
なのにどうして?
遊んでからかってるんじゃないってどういうこと?
最近の橘はよくわからない。
「なーに、しかめっ面してんのよ。ボケっとしてる間にあんたの彼氏連れて行かれたよ?」
「……え?」
愛美につられ窓の外を見ると、屋上に橘はいた。
知らない女の子と一緒に。
二人を見ていると、なんとも言えない気持ちになった。
「……連れてったってアイツがじゃないの?っていうかあたし関係ないし」
「とか言いつつ気になってるんじゃないの?」
「はっ、そんなわけないでしょ!あんなやつ知るかっ」
どうしてこんなにムキになっているんだろうか。
無視していればいいのに目に入るから…
あんなヤツほっておけばいいのに。