大っ嫌いなアイツに恋をした。
◆負けるなんて……
あれから早二週間
校門の桜もすっかり散ってしまった。
教室で騒いだり、楽しくお話したり、
みんな新クラスに慣れてきたようだ。
ただし……あたしを除けば。
「李徴は妻子の衣食のため……」
勉強が苦手なあたしは必死に先生の話を聞いているというのに
────ドンドンッ
なぜか後ろから椅子を蹴られ続ける。
振り返ると相手の思うツボだ。
そう、思ってはいてもうるさくて集中できない!
もう何度目だろう、あたしは痺れを切らし振り返る。
「……っ〜!何!?」
「お前のデカイ頭が邪魔で黒板見えねぇんだけど」
振り返ると、頬杖をした橘。
どうしてでしょう。
何でこんなヤツがあたしの後ろの席に!?
それは遡ること3日前のこと。