大っ嫌いなアイツに恋をした。



星が浮かぶ夜空の下を二人並んで歩く。


そういえば、橘のやつ彼女いたんだよね…

あたしと二人で歩いてていいの?



ふと、その横顔を見つめ歩いているとそれに気づいた橘はあたしの顔ジッと見てニヤリと笑った。



「何、見惚れてんの?」


「はっ、見惚れてなんかないし!ただ…」



慌てて前を向くと、橘は怪訝そうに眉を寄せてあたしの顔に寄せて来た。



「…ただ?」


「い、いいのかなって!か、彼女いるのにあたしと一緒にいて迷惑じゃないかなって!」


なぜか恥ずかしくなって前だけを見つめる。


すると、橘は首を傾げた。



「……彼女?ダレ?」


該当者が多いのか橘は難しい顔をする。



「今日、屋上で会ってた女の子!毎回一緒にいるじゃん!遊びじゃなくてあの子と付き合うことにしたんでしょ?」


何度か橘とその例の子が一緒にいる所を見たことがある。


その子が本命なんじゃないかって。



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