大っ嫌いなアイツに恋をした。
【美優 side】
少しでもアイツのこと
“好き”
だなんて思うんじゃなかった。
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あたしは、まだ桜が残る木の下を歩いて校門を抜けた。
高校2年の春。
先週始業式があって今日から本格的に授業が始まる。
新しいクラスにウキウキしてワクワクして、これから楽しい学校生活が始まるのだと思っていた。
そう、この前まで思っていたのに!!
あたしは憂鬱な気持ちで2-Cとプレートに書かれたクラスに立ち止まる。
ドア開けると……
「キャー!!美優ちゃんのお出ましよ〜」
キャ〜という謎の歓声に包まれ教室に入ると、一斉に女子たちが群がってくる。