大っ嫌いなアイツに恋をした。



泣き腫らした顔を見てあたしはふと橘の言葉を思い出していた。


『悪ぃけど、もう抑えるつもりねぇから』


そして、キス…されたんだよね


そっと唇に手を当てる。


本当に…橘と…


あの後どうやって家に帰ってきたのか覚えていない。


「あぁ…顔合わせにくいよ」


どんな顔して会ったらいいの?





意識しない。

そう、思えば思うほど意識してしまうもので……



「おっ、悠月はよ〜」



足立くんの声にアイツが教室にアイツが入って来たんだと悟り視線を逸らした。



「美優…あんたどこ見てんの」



愛美にも不審がられるぐらい。


これじゃあ、明らか意識してます!って言ってるのと一緒だよね…




< 201 / 415 >

この作品をシェア

pagetop