大っ嫌いなアイツに恋をした。
しかも、最悪なことに後ろの席はもちろん橘。
いつになったら席替えするんだよっ!
「明後日から夏休みだ。だからと言って浮かれんなよお前ら〜。夏休み注意の紙を配るから後ろにまわしていけ」
明後日から夏休み。
今日と明日を乗り切れば橘とは一ヶ月会わなくて済む。
頑張れあたし!
何にもない振りしてプリントを後ろに渡すと橘の手が一瞬だけ当たった。
ドキッとして慌てて手を元に戻す。
ど、どうしよ…不自然すぎた?
「えー、橘と笹原お前らは資料室の掃除頼むな」
え?今なんて…
いつの間にか大掃除の話になっていたらしく生徒はぞろぞろと動き出す。
「ちょ、ちょっと待って先生っ!橘と二人って」
「ん?頼んだよろしくな〜」
先生はそれだけ言って教室から出て行った。