大っ嫌いなアイツに恋をした。
ウソでしょ!?
どうしよ…
仕方なく資料室に向かうと既に橘はいてあたしはそっと中に入った。
「は、早かったんだね」
早く終わらさなきゃ…
ほうきを持って早速ゴミを集め始めると橘はゆっくりとあたしの方に近づいて来た。
「なぁ、昨日は……」
「じ、冗談…だよね」
意識してないふりして後ろを向く。
「き、キスは…犬に噛まれたと思うことにした」
「はっ?何だよそれ」
明らか不機嫌な声が後ろからする。
だけどお構いなしにあたしは言葉を続けた。
「ぜ、全部…無かったことにしてあげる。いくらなんでも冗談が────」
酷すぎるよ、と言おうとした瞬間だった。
あたしの肩を掴んだ橘は勢い良く壁に追い込んだ。
そして、その瞳は鋭くあたしを捉えた。