大っ嫌いなアイツに恋をした。
「ま、待ってよ…橘とあたしはただの友達で、クラスメイトで…」
それ以上なんて……
「思ったことねぇよ」
「……え?」
橘はあたしの肩に顔をうずめたまま低く呟く。
「お前と友達なんて、少しも思ったことねぇよ…」
ドキドキ、と心臓は高鳴るばかり。
自分でもどうしていいのかなんて分からない。
でも、一つだけわかること。
それはもうあたしは橘のことなんて何とも…
「俺と付き合うって選択肢、お前の中にねぇの…?」
いつの間にか抱きしめる体制になっていて逃げることも出来なくなっていた。
「せ、選択肢ってそんな。それに橘にはすげぇ好きなヤツがいるって言ってたじゃん」
一緒に流れ星を見つけたとき橘は言っていた。
あのときの笑顔があたしには胸が苦しくて今もまだ離れない。