大っ嫌いなアイツに恋をした。



「な、みんな何言ってるの!?」


先生を探してみるけどいない。


さっき先生職員室行くって出てったな…


みんなわーわー言ってるしどうしたらいいの!?

すると、橘が第二柔道場に入ってきた。



「何?俺に負けんのが怖ぇの?」



まるで、神経を逆撫でするような言い方。


「…っ、そ、そんなわけないでしょ」


今までだって、そこらの男子に負けたことなんてない。

橘にだって負けるわけない。



「じゃあ、勝負しようぜ。強いってウワサのお前とタイマンはりたかったし?」



……タイマンってこれは柔道でしょ

まあ、何だっていい。


あたしにだってプライドってものがある。


「わかった。負けて後悔しても知らないから。」



「フッ、上等」



ワー!!と盛り上がるみんな。



「おい、悠月!そんなこと言って寝技に持ち込むんじゃねぇの!」



脇で男子たちがそう茶化す。



「……バーカ、こんなヤツ女だと思ってねぇから。」




……なっ!!




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