大っ嫌いなアイツに恋をした。
……確かに、こんなことする女子なんていないよね。
だから、恋愛対象にならない。
強い、怖い、男っぽい…なんて言われる。
でも、周りから女子だなんて思われてないのは知っているから今更何ともない。
もはや今は目の前にいるコイツを打ちのめしたい。
あたしに負けてみんなに醜態さらせばいいんだから!
誰かの合図で勝負が始まる。
こんなヤツすぐに投げ飛ばしてやる!
そう、橘の柔道着を掴んで踏み込もうとした瞬間
橘はニヤリと笑った。
そして……
「……きゃっ」
橘はあたしの身体の後ろ側に足をかけて倒した。