大っ嫌いなアイツに恋をした。
*
「お疲れさま〜」
蒸し暑い体育館での練習が終わり後輩たちがコートにモップをかける。
バッシュを片付けて帰る準備をしていると部員のきゃっきゃした声が聞こえてきた。
「明日、南橋宮の祭りじゃん〜悠月くんたちも来るのかな〜」
「ねぇ、男バスも誘ってみんなでお祭り行かない?」
南橋宮のお祭りか…
そういえば去年は行かなかったんだよね。
「ねぇ、美優も一緒にお祭り行くよね?」
「……え?あたしは…」
いきなり話を振られ戸惑っていると悲願するように手を合わせてきた。
「悠月くんと仲良いよね?男バスみんなとあたしたちでお祭り行こって頼んでくれないかな?」
そう上目遣いで言うのは副キャプに指名された若菜(ワカナ)
若菜、男バスの藤井くんが好きなんだっけ……
でも、橘にお祭り一緒に行こなんて…絶対言えない。