大っ嫌いなアイツに恋をした。
「んで、どうした?自主練か?」
「あ、うん…自主練もそうなんだけど…あのね、南橋宮の夏祭り…一緒に行かない?」
そう言うと、宮村は一瞬驚いた顔をして笑った。
「いいけど…俺と二人?」
まるでからかうように笑って言う宮村に言葉を間違えたことに気がついた。
「あ!あ…違っ…あの、男バスと女バスのみんなで一緒に行かない!?」
慌てて全部言うと宮村はまた笑う。
それがなんだか恥ずかしくて視線を逸らした。
「フッ、そういうこと。いいよ、アイツらも行くって言ってたし女子がいたほうが喜ぶわ」
よかった〜これでなんとかなるよね!
「ありがとう宮村!」
思わず、宮村の手をとって言うと複雑そうに笑う。
「でも、アイツは…」
宮村が何か言おうとしたときだった。
「和樹…」
そんな声がして振り返ると体育館から出てきた橘がいた。