大っ嫌いなアイツに恋をした。



とっさに宮村の手を離すと橘は何か言いたげな顔をした。


橘はゆっくりあたしたちに近づいて来ようとしたとき…



「悠月〜お疲れ〜!」



タオルとジュースを持って一人の女子が走って来た。


あれは…屋代さん。


屋代さんに気づいた橘は急に笑顔になってタオルを受け取っていた。


あたし、あんな橘の笑顔…最近見たことないよ。

というか、全く見たことなかったかも。



そのまま橘は屋代さんの肩に手を回してあたしたちの前から去って行った。



「あの通り、アイツは来ねぇよ?」



え?っと視線を宮村に戻すとフッと笑う。


「悠月は祭り来ねぇよ」



それはきっと屋代さんと行くからなのだろう。

それか、もっと違う女の子たち…


『俺ってさやっぱり楽な関係で遊んでんのがお似合いなんだよ」』



橘が言っていた言葉を思い出しなぜか胸を痛めた。



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