大っ嫌いなアイツに恋をした。




そして、夏祭り当日。


18時に南橋集合であたしはかなり焦っていた。


あ〜、もう遅刻するよ…!


コツコツ、と下駄の音を鳴らしてあたしは何度も転けそうになりながら走った。


だから浴衣なんて着たくなかったのに…


あたしは数時間前のことを思い出す。



お兄がなかなか帰ってこないことを心配し、彼女の真紀さんがお兄を迎えに来たのだった。


そのときにちょうど祭りに行くという話をしたら……


「ちょうどいいわ!あたしも涼斗と行くから浴衣着るの!美優ちゃんも浴衣着ましょ!」



ルンルン気味な真紀さんに断ることも出来ず丁寧に着付けをしてもらったのだった。



浴衣なんて何年ぶりだろ……


それにしてもこの浴衣…薄いピンク色だし何か花がいっぱい散らばってるし……


あたしには到底似合わない可愛らしい浴衣。


真紀さんのチョイスと言えども、みんなに絶対似合ってないって絶対言われるよ……




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