大っ嫌いなアイツに恋をした。
ものすごく絞り出した低い声。
だけど、あたしの大好きな声だった。
「……たちばなっ」
「あ?何だよテメェ…この女は俺たちの────」
男は橘に掴みかかろうとしたとき橘は溝うちに蹴りを入れてその手を簡単に縛りあげた。
「あ?何だって?…よくも人の女に手ぇ出してくれたよな」
男の手を捻りあげると声にならない声で叫ぶ。
そして、そのまま地面に叩きつけられた。
「次はブッ殺す。二度とそのツラ見せんな」
男たちは橘の鋭い視線に血相を変えて逃げて行った。
「橘っ────」
立ち上がり橘の元に行こうとしたとき、橘はいきなり強く抱きしめてきた。