大っ嫌いなアイツに恋をした。
「期待、させないでよ……」
「は?何だよそれ」
あたしは橘の腕の中からそっと離れた。
「だ、だから…あたしと一緒にいたいとか、そんな期待させること言わないでっ!」
橘は驚いた表情であたしを見つめる。
もう、抑えるのはやめにする。
素直になって橘とぶつかるって決めたんだもん。
「好きだから……橘が、好きだからだよっ!」
思い切って言うと、橘は信じられないらしく目をパチクリさせている。
「素直になれなくて橘にヒドイこと言って…でも本当はずっと……」
ずっと好きだったよ…
橘はフッと笑ってあたしを抱きしめた。