大っ嫌いなアイツに恋をした。
「お前、そんなこと言ったらもう離してやれねぇけど」
橘はギューっとあたしの背中に腕を回す。
「うん……離さないで」
あたしの言葉に橘は頬を赤く染めると悔しそうに言う。
「つーか、先言うなよな。告白は男がするもんだろ」
橘はそっと身体を離すとあたしを真剣に見つめた。
「俺、素直じゃねぇからさ…お前のこといっぱい傷付けた。フられるぐらいならって最低な嘘ついた。もう関わらないとか言ったくせに結局笹原のことが気になって……」
橘は照れたように俯いて笑う。
「笹原、好きだよ。お前が…好きだ」
涙を必死で堪えると橘はあたしの頭を優しく撫でた。
「…無かったことにするとか言わないでね」
涙目で橘を見上げると軽くあたしの頭に拳を当てた。
「バーカ、こっちのセリフ」
どちらともなく顔を近づける。
優しく重なった唇。
3回目のキスは優しくて甘かった。