大っ嫌いなアイツに恋をした。
「この間、ストーカー追い払ってくれてありがと〜!!本当に助かったの!」
「この前までしつこかった元カレ、美優のおかげできっぱり別れられたの〜!ありがとう〜」
「よ、よかったね〜……」
あたしは上手くかわしながら自分の席につく。
一つ、言わしてもらうとあたしは警察でもストーカーを追い払う者でも何でもない。
なぜこんなにことになってるかって?
あたしが教えてほしいよっ!!
「ったく人気者ねぇ〜王子様!」
そのとき、ニンマリと微笑みながらあたしの元にやってきた一人の女子。
名前は水沢愛美(ミズサワマナミ)
茶色のショートヘアーな彼女は大人っぽくキレイだと男子の憧れの的。
そんな愛美はあたしだって憧れだし羨ましい。
あたしはすかさず口を開く。
「……人気者じゃない!増してや王子じゃないから!!」
そっぽを向いて言うと愛美はふふっと笑った。
「そりゃ、空手黒帯に柔道まで。あんたのかっこよさみたら惚れないわけないじゃない。」
……褒めてるのか貶しているのかよくわからない。