大っ嫌いなアイツに恋をした。




宮村のことだ、昼休みも体育館で自主練していたんだろう。



「おお、和樹。さすがキャプテン、昼休みまで自主練か?」


永見先輩はあたしを壁に追いやったまま宮村を一瞥した。



「そんなんどうでもいいっしょ。そいつ彼氏いるから。その手、退けてもらっていいすか。………つーか、退けろ」



宮村は珍しくいつもより低い声を出して永見先輩をじっと見据えた。



「……へぇ、なるほどね。俺が何もちょっかい出さなくても面白くなりそうじゃん?」




そう言った永見先輩はあたしからふっと離れる。


だけど、一瞬顔を近づけた先輩は…




「悠月なんかやめて、和樹の方が妥当なんじゃない?」



永見先輩は耳元でそんなことを囁いて去って行った。



……一体、先輩はあたしに何を言いたかったの…




「ったく、あんなヤツにホイホイ付いて行くバカはお前だけだぞ」



「……なっ、あたしは別に!」



先輩が話あるって言ったんだもん。


結局あたしは何?からかわれただけだったの?



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