大っ嫌いなアイツに恋をした。





「てか、宮村は何でこんなとこに…?」



体育館で自主練してたらな、こんな体育館裏なんて目につかないはず……



「たまたま、窓を閉めに行ったときに笹原とセンパイ見つけたんだよ。んで、走って来た」



え……?

走って来たって…なんで?



首を傾げて宮村を見つめると、やれやれといった表情をした。



「……心配だったからに決まってんだろ」



「……え?」



宮村はあたしの視線にハッとして顔を逸らした。


「い、言っとくけど、別に笹原のこと心配してんじゃねぇよ。悠月がまたうるせぇだろ。だから断じて、お前のためなんかじゃ…」



なんて、言いながら宮村の頬は少しだけ赤い。



「ハハッ、そんな言い直さなくてもわかってるよ!ありがとね!宮村!」



顔赤くなってる宮村とか見たことないな〜

いつもは冷静だし、何でも一枚上手って感じなのにな〜


ふふっと、にやけながら宮村の顔を覗き込んでいると急に不機嫌そうな顔をした。




「そんなにやけやがって……礼ぐらいあんだろうな」



ブッ、お礼見返るとこなんて橘そっくりじゃん。

何だかんだ似てるよね〜二人。





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