大っ嫌いなアイツに恋をした。




そんな気持ちを振り払うように、橘にギュッとしがみつく。


驚いた様子の橘だったけど、橘もギュッと抱きしめ返してくれる。



深くなっていくキスに何も考えられないぐらい夢中になっていたとき…



────ピンポーン




インターホンの音が鳴って、あたしたちはハッと身体を離した。




「……お、お母さんじゃないの?」



慌てて橘から離れたあたしは身なりを整える。



「……ったく、いいところだったってのに」



あからさまに残念そうな橘にボッと頬が熱くなる。


「な、何言ってんの!?あ、あたしも下降りるから…」


ちゃんと挨拶しなきゃ…!

無断で上がりこんでる女だと思われたくない。



橘に続いて一階に降り、玄関に向かう。


橘のお母様、きっとすごく綺麗で可愛らしい方なんだろうな…こんなお姫様みたいな家に住んでるんだし。


そんなことを考えていると、橘がふと振り返る。


「あ、言っとくけど…うちの母親すげぇマシンガントークで喋りだからな。可愛らしいの欠片もねぇから」



橘はフッと笑ってドアを開ける。



ま、マシンガントーク……ゴクリと息を飲む。



そして、ドアが開かれ目に入ってきたのは…




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