大っ嫌いなアイツに恋をした。
セーラー服を着た華奢な女の子だった。
え……お母…さん…じゃない…よね?
どう考えても母親世代ではない。
あたしたちと同じ高校生だ。
橘も突然のことで驚いているのか目を見開いている。
この女の子は….
「悠月、久しぶりだね。元気してた?」
セーラー服の女の子は橘を見つめ、柔らかく微笑んだ。
ゆるいふんわりヘアーに可愛らしい顔立ち、その微笑み、まるで天使みたいだ。
橘はというと、口を閉ざしたまま何も言おうとしない。
……知り合い、なのかな?
あたしも何も言えず、彼女に視線を向ける。
「もしかしてビックリしてる?あ、先週またここに戻ってきたの!隣町の女子校だよ。……あれからちゃんと学校行ってる?永見先輩とは仲直りした?」
永見、先輩……
もしかして、橘が永見先輩と争いになった女の子って……!