大っ嫌いなアイツに恋をした。
「えっ!?ちょ、ちょっと…!?」
ギュッと抱きしめて離さない橘にまたしても心臓がうるさくなる。
「不安そうな顔、してたろ。アイツとは別に何もねぇから」
不安になってたこと橘にはバレてたんだ…
だけど、くるみちゃんは橘が好きだった人。
永見先輩と争うほど…
橘はあたしがそのこと知ってることを知らない。
あたしには何も説明してくれないんだ?
そう思うと、一層不安になってくる。
とことんダメだな…あたし。
「あ、でも、ヤキモチは大歓迎だけど?」
そう、ニヤリと笑った橘に複雑な気持ちになる。
「べ、別にヤキモチなんかじゃないですよ〜だ」
「素直じゃねぇな?ちょっとは素直になれば可愛くなんのに」
素直になれるなら、とっくになってるよバカ。
どうして…素直になれないんだろ。