大っ嫌いなアイツに恋をした。
ず、ズルイ…って?
「な、何がズルイの?あたし何か変なこと言った?」
「ん〜、何もねぇ」
宮村はフッと笑うだけで、何も言わなかった。
ど、どうしたんだろ…
信号が赤に変わりあたし達は立ち止まる。
何か言わなきゃ…!
そう思えば思うほど何も出てこなくて…
信号が青に変わる。
宮村に並んで横断歩道を渡っていたとき、駅前の広場で制服姿の橘を見かけた。
アイツ…!こんなところで何やって…
声をかけようとした瞬間だった。
「え………?」
駆け寄ってきた女の子によって橘が持っていた傘は地面に落ちる。
そして、その子は橘にキスをした────。