大っ嫌いなアイツに恋をした。
何がどうなっているのかわからなくて、あたしは瞬きするのも忘れていた。
あの華奢な女の子は……くるみちゃん…
一方的にキスされてるとはいえ、橘はそれを拒む気配すらしない。
何…何なの……何してんの?
うわ〜人前で堂々とすごいね〜
なんて、声がする。
ああ、何だ。
これは悪夢なんかじゃなくて、現実。
『悠月は本当にその女の子のことが好きだったんだよ。アイツは最後まで口にしなかったけど』
何だ…そっか…これが橘の本当の気持ち?
『別に、俺とアイツは今は何も関係ねぇし』
そう言って抱きしめてくれたのは…嘘だったの?
あたしはコンビニの袋を握りしめ、来た道を戻る。
だけど……
バシッと宮村に腕を掴まれる。