大っ嫌いなアイツに恋をした。




何がどうなっているのかわからなくて、あたしは瞬きするのも忘れていた。


あの華奢な女の子は……くるみちゃん…



一方的にキスされてるとはいえ、橘はそれを拒む気配すらしない。


何…何なの……何してんの?



うわ〜人前で堂々とすごいね〜

なんて、声がする。



ああ、何だ。

これは悪夢なんかじゃなくて、現実。


『悠月は本当にその女の子のことが好きだったんだよ。アイツは最後まで口にしなかったけど』



何だ…そっか…これが橘の本当の気持ち?



『別に、俺とアイツは今は何も関係ねぇし』



そう言って抱きしめてくれたのは…嘘だったの?


あたしはコンビニの袋を握りしめ、来た道を戻る。


だけど……


バシッと宮村に腕を掴まれる。





< 341 / 415 >

この作品をシェア

pagetop