大っ嫌いなアイツに恋をした。
「ははっ、そっか。くるみちゃんが好きなら好きって言えばいいじゃん。永見先輩と争うぐらい、停学なっちゃうぐらい大好きだったんでしょ?」
泣いちゃダメ。
最後ぐらい強がったっていいよね?
最後ぐらいカッコつけさせてよ……
「だったら…本気で好きなんだったら……ちゃんと捕まえなさいよ!俺だけ見とけよ、ぐらい言って捕まえたらいいじゃんっ!いなくなってからじゃ遅いんだからっ!バカ!」
あたしはコンビニの袋を橘に投げつけ、振り返らずひたすら走った。
大っ嫌い────。
橘なんて……大っ嫌いだ。
「大っ嫌いなんだから…っ」
溢れ出す涙は
どうしても止まらなかった。