大っ嫌いなアイツに恋をした。
袋の中から出てきたのは……
カルピス味のヨーグルト?
その他、フルーツのゼリーやら中には熱さまシートなんて入っていた。
「アイツ、にやけながらそれら選んでたぞ。嬉しそうな笹原見て、悠月は愛されてんなって思った」
『カルピス……夏祭りのカキ氷といい、本当に好きなんだね』
嬉しそうに微笑む笹原が脳裏に浮かぶ。
なのに俺は……アイツにあんな顔させて…
「熱さまシートでも貼って、頭冷やせば?俺に笹原取られるまでに帰って来ないと知らねぇからな」
和樹はフッと笑って去って行った。
本当はどうしたいかなんてわかってる。
和樹に言われて気づくなんて…
「本当、情けねぇな…俺」
俺はカルピスヨーグルトの入った袋を大事に持って雨の中走った。
『橘は……あたしのどこが好きだったの…』
そんなこと聞くな、バカ。
怒った顔も、笑った顔も、無駄に強いとこも、素直じゃねぇ意地っ張りなとこも……全部
全部に決まってんだろ────。