大っ嫌いなアイツに恋をした。
「も〜やだな!愛美がそんな顔しないでよ!あたし結構サバサバしてんだから!ってかね、あたしは恋愛にうつつ抜かすようなタイプじゃないし?」
あたしが恋する乙女とか似合ってないし。
これでよかったと思ってる。
「あ!そうだ…あたしが王子役するってどう?宮村がお姫様役とか…ブッ、この際ウケ狙おうよ!」
あたしはお姫様役なんて似合わない。
そんな柄でもない。
「美優……ヤケになってるんじゃ…」
「なってないなってない!宮村ならお姫様抱っこ出来るかも…足立くんに提案してみるね!」
愛美には見透かされるような気がして…怖かった。
あたしは笑顔を残して、立ち上がる。
王子様の衣装を手に取ると、わーっと周りに女子が集まった。
「やっぱり、美優ちゃん王子様似合ってるね!!」
「やばい笹原さんカッコよすぎる〜!」
「その辺の男子よりカッコイイんじゃない?」
なんて、あたしを囲む女の子たち。
ほらね?
あたしにはこっちの方が……