大っ嫌いなアイツに恋をした。
やっぱり…何度見ても可愛い家だな……
これで橘の家に来るのは三度目だ。
一回目は…すごく緊張したな…
二回目は一緒にゲームしたっけ。
あたしの得意なゲームだったのに、あっさり負けちゃって……
初めて、自分からキスをした────。
いつもよりドキドキして、どうにかなっちゃいそうで……
「あたしも……たくさんの女の子の中の一人になっちゃうのかな…」
家の前でそんなことを思っていると……
「あら?もしかして…悠月のお客さん?」
甲高い声に振り返ると、シュッとしたパンツスーツを着こなした綺麗な女性が不思議そうにあたしを覗き込んだ。
「……え、あ…あの…」
「あ!もしかして…美優ちゃん?」
え……?
どうしてあたしの名前……
「ヤダ〜初めまして、悠月の母です〜!悠月に用事〜?よかったら入って!」
橘のお母さんはあたしの背中を押して家に押し入れる。
想像通り、若くて可愛らしいお母様だけど…パワフルな人だな……