大っ嫌いなアイツに恋をした。
橘の家、あたしの家と結構離れてるのに…
熱出して倒れたとき、送ってくれたんだよね…
いつも、いつも……
あたしのことばっか……
『そんなもん、しょうがねぇだろ。お前が好きなんだから』
ギュッと拳を握りしめ、住宅街を歩いていると
角を曲がったすぐの一軒家の前で橘の姿を見つけた。
「悠月がいなきゃ…あたし…」
「……わかってる。何も言うな」
くるみちゃんの頭に手を置いて、そっと抱き寄せる。
わかってたのに……
いざ目の当たりにするのはさすがにキツイな…
くるみちゃんが家に入り、それを見届けた橘は歩き始める。
「……橘」
あたしの声振り返った橘は目を見開く。
「……ちょっと、付き合ってよ」
最後ぐらい、スッキリさせてよ。