大っ嫌いなアイツに恋をした。
*
あたしは橘を連れて近くの公園にやって来た。
気づけばすっかり辺りは暗く、子供はおろか人一人見当たらない。
「わ〜、ブランコとか久しぶりだな〜!橘、覚えてる?一回さ、二人で学校の近くの公園寄ったじゃん?そこの公園にいた子どもがさ〜」
「……笹原」
これでも、精一杯頑張ってるのに。
涙堪えるの必死だってのに。
そんな真剣な目で見ないで……
ちょっとは期待させてよ。
くるみちゃんより、あたしが好きだって…
そう、少しでも…期待させてよ…
「笹原、今俺は……お前のそばにはいてやれねぇ」
知ってたのに。
気づいてたのに……
強情だな、あたし。
どうして……こんなにも好きになっちゃったんだろ…っ
「ブッ、何その真剣な顔〜似合わないよ。あ、もしかして、あたしが振られてショック受けてるとでも思ってた?ハハッあたしを誰だと思ってんの〜笹原美優だよ?男なんていなくたって一人で生きていけるっつーの!」
泣くな……っ
最後まで……泣いちゃダメだ。