大っ嫌いなアイツに恋をした。










あたしは橘を連れて近くの公園にやって来た。

気づけばすっかり辺りは暗く、子供はおろか人一人見当たらない。




「わ〜、ブランコとか久しぶりだな〜!橘、覚えてる?一回さ、二人で学校の近くの公園寄ったじゃん?そこの公園にいた子どもがさ〜」




「……笹原」



これでも、精一杯頑張ってるのに。

涙堪えるの必死だってのに。



そんな真剣な目で見ないで……


ちょっとは期待させてよ。

くるみちゃんより、あたしが好きだって…


そう、少しでも…期待させてよ…




「笹原、今俺は……お前のそばにはいてやれねぇ」



知ってたのに。
気づいてたのに……


強情だな、あたし。


どうして……こんなにも好きになっちゃったんだろ…っ




「ブッ、何その真剣な顔〜似合わないよ。あ、もしかして、あたしが振られてショック受けてるとでも思ってた?ハハッあたしを誰だと思ってんの〜笹原美優だよ?男なんていなくたって一人で生きていけるっつーの!」



泣くな……っ

最後まで……泣いちゃダメだ。




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