大っ嫌いなアイツに恋をした。




やっぱり、いつもの橘が一番いい。

無駄に自意識過剰で、意地悪で、俺様で…


元気ないあんたなんて見たくない。



少し前までのあたしたちの関係に戻るだけ。


たった……それだけ。

たった、それだけなのに……



「じゃあね!明日は学校来なさいよ!お母さんに心配かけたら許さないんだからっ!」




精一杯だった。


涙が溢れる数秒前────。



あたしは橘に背を向け、走って公園を抜けた。








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