大っ嫌いなアイツに恋をした。
*
文化祭当日。
もうすぐ、劇本番。
あたしは更衣室で着替えている真っ最中だった。
「美優〜準備出来たー?」
カーテンで仕切られた向こうから、愛美の声がする。
ほ、本当にこれで舞台上がらないといけないのか……
あたしはため息まじりにカーテンを開けた。
「一応、着てみたけど……こんなふわふわしてるのって……」
ドレスを着たあたしを見て、愛美はパァッと顔を輝かせる。
「美優〜〜!!すごく似合ってるよ!可愛い〜!」
愛美はあたしの周りをくるくる回って何だか楽しそうだ。
「あとは…化粧と髪型だね!メイクさん呼んでくるからちょっと待ってて!」
なんて、言った愛美は慌ただしく更衣室を飛び出した。