大っ嫌いなアイツに恋をした。




絶対、絶対……許してあげない…



あたしは背伸びして、橘の肩に手を置いた。


ぶつかるようにして触れた唇に、橘にはハッと目を見開く。



「おまっ…」



「絶対……許してあげないんだからっ」



想いを込めてギュッと橘の衣装を掴む。





「あんたなんか…大っ嫌いなんだからっ!」



いつの間にか涙が溢れ、ポロポロと流れ落ちる。

もう、我慢なんてしない。


もう、絶対離したりしない。



「お前、俺のこと好きだろ」



「バカ、大っ嫌いだよっ!」




ふっと優しく笑った橘はあたしを抱き寄せた。




「世界で一番……大っ嫌いなんだからっ!」



「……ああ、知ってるよ」




流れる落ちる涙は橘の指によって綺麗に拭われる。



「お前さ、言っただろ……あたしのどこが好きだったんだって」



涙ぐんだ目にそっとキスした橘は

今度こそあたしをギュッと抱きしめた。





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