大っ嫌いなアイツに恋をした。





「全部なんだよ。残念ながら、泣いた顔も怒った顔も…手加減なして殴ってくるとこも…笑った可愛い顔も……全部、全部が好きだ」



耳元から聞こえる優しい声に
あたしは広い背中に腕を回しギュッと抱きしめた。



「あたしも……残念ながら、情けないとこも、カッコつけて意地張るとこも…意地悪で俺様なとこも……バカみたいに心配性で優しいとこも……全部だよっ!全部…好きだよ…っ」



もう、離れたくない。

離したくない。




「俺は、情けねぇヤツだから…またお前のこと泣かせるかもしんねぇ。それでもずっと笹原のそばにいたい。もう、絶対に離したりしない」



「……そんなのっ、当たり前でしょ!あたしだって、もう橘のこと離したりしないからっ」



離れろって言われても…離れないんだから…



「どうしようもないあんたのそばに、これからもずっと一緒にいてあげる…っ」



「そこまで言うなら…覚悟しとけよ?お前の全部…一生かけて愛してやる」




ニヤリといたずらに微笑んだ橘はそっと優しくキスを落とした。



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