大っ嫌いなアイツに恋をした。
世話のかかる二人──和樹side*
*おまけ*
【世話のかかる二人──和樹side*】
俺の席の斜め前から二番目の席。
席替えしてもなお、二人はどうしても離れることはないらしい。
「橘、また寝てたでしょ!もうノート写してやんないから!」
「るせぇな〜、かっだりぃ現社ぐらい寝かせろ。それとも何、お前がキスしてくれんなら真剣に授業受けるけど?」
「……一生寝てろ、バカっ」
笹原は悠月の頭にノートを軽く叩きつけ、プイっとそっぽを向いた。
文化祭が終わり、二人は元通り。
相変わらず、喧嘩ばかりでも仲良くやってるみたいだ。
「なーに、見てるの?」
机に伏せていた顔を少しあげると、ニコリと笑顔を張り付けた水沢愛美がいた。