大っ嫌いなアイツに恋をした。
それからあたしは猛ダッシュで用意を始めた。
スカートとスキニーを手に取り、一瞬迷う。
「別に、デートじゃないし……オシャレなんかしなくていいよね。」
変にキメてってもバカにされそう。
それにあたしは滅多にスカートなんてはかない。制服ぐらいだし。
でも、本当は……
結局、あたしはスカートをやめてスキニーにした。
いつもはあまり化粧なんてしないけど、今日だけは少しだけ。
そして、髪を整えた。
鏡にうつる自分はなんだか恋する乙女のよう。
そうだ…あたしは変わらなきゃ。
先輩に振り向いてほしいなら変わらなきゃ。
鏡の中の自分に笑って、あたしは家を飛び出した。
すると、家の隣の柔道場から声がした。