大っ嫌いなアイツに恋をした。



それからあたしは猛ダッシュで用意を始めた。


スカートとスキニーを手に取り、一瞬迷う。


「別に、デートじゃないし……オシャレなんかしなくていいよね。」


変にキメてってもバカにされそう。


それにあたしは滅多にスカートなんてはかない。制服ぐらいだし。


でも、本当は……



結局、あたしはスカートをやめてスキニーにした。


いつもはあまり化粧なんてしないけど、今日だけは少しだけ。

そして、髪を整えた。



鏡にうつる自分はなんだか恋する乙女のよう。


そうだ…あたしは変わらなきゃ。

先輩に振り向いてほしいなら変わらなきゃ。


鏡の中の自分に笑って、あたしは家を飛び出した。



すると、家の隣の柔道場から声がした。




< 39 / 415 >

この作品をシェア

pagetop