大っ嫌いなアイツに恋をした。
「ふーん、美優センパイのこと信用してないんだ?俺に奪われるかもって思ってるんだ?」
「…クソガキ、テメェ二度と見れないツラにしてやろうか」
ちょっ!ちょっと……っ!
やばい、橘が年下の陸に完全煽られている。
「フッ、早いよ。すーぐ乗せられちゃって。頭に血が上って冷静に物事を判断出来なくなる人はまともに喋れないからヤダね〜柔道も向いてないんじゃない?」
り、陸ちゃん!?
何もそこまで……っ!
この後どうなるかなんて、想像が付く。
橘が陸を血祭りに……
ああ!!それだけは絶対ダメ────!!
ハッと、橘の前に立ちはだかり両手を広げた。
だけど、橘は……
「まともじゃなくて悪かったな?でもな、コイツのことになると冷静じゃいられねぇんだわ」
陸を一瞥して、フッと笑った。
「何?手広げて、抱きしめてって催促してんの?」
橘は両手を広げたあたしを見てニヤリと微笑む。