大っ嫌いなアイツに恋をした。
ビクッと反応するあたしを見て、橘はフッと笑みを零す。
「祭りの時も思ってたけどさ、髪型、アップの方が…似合ってる」
橘はそっとあたしの肩に手を置き振り返らせる。
「……っ、へ、変なこと、しないでよね…?」
「変なことって例えば…何?」
橘は艶っぽい瞳であたしを見下げる。
わかってるくせに…
「こんなとこで…き、キス…とかされたら困るからっ!」
「……それだけじゃおさまんねぇかも」
なんて、橘はあたしの頬に手を当てる。
へっ!?
し、正気ですかっ!?
「た、橘!?」
「また、お預けくらわすつもり?もう、抑えらんねぇわ」
グイッとあたしの顔を上に向かせ、迫る。
だ、ダメ────!
ギュッと目を瞑ったとき、外から声が聞こえてきた。