大っ嫌いなアイツに恋をした。
「美優センパイ?大丈夫ですか!?」
脱衣所の外からだろうか、小さく陸の声が聞こえる。
もしかしたら、中々お風呂から出てこないあたしを心配したのだろうか。
「逆上せてませんか?美優センパイ?」
「あ、は!だ、大丈夫っ!」
陸に聞こえるように、慌てて声を上げるけど。
や、やばい…
橘は明らか不機嫌そうな顔をする。
「美優ちゃん、襲ってい?」
「…っ!?だ、ダメで…っ」
橘はあたしの言葉なんてお構いなしに
あたしの肩を抱き寄せた。
──────っ!?
「や…っ、何す…」
「ちょっとだけ…ダメ?」
うっ、そんな上目遣いされても…