大っ嫌いなアイツに恋をした。
なんて、言ったけど……
橘はあたしと友達イヤなんだ。
そんな怖い顔しなくたっていいじゃん。
ただのクラスメイト。
それはこれからも変わらないんだ。
もしかしたら、橘と仲良くなれるなんて思ったあたしはバカだ。
あんたがあたしのこと嫌いなんだって知ってたのに。
でも、あたしだって橘のこと……大っ嫌いだよ。
そう、俯いたとき
いきなり前から水が飛んできた。
「わっ、何すんのよ!!」
「バーカ、よそ見してんなよ」
なんて、橘はバシャバシャ海水をかけてくる。
寒いからジャケットかけとけ的なこといって水かけてくるヤツがどこにいんのよっ!
風引いたら絶対コイツのせいだ!!
「やられたらやり返す〜〜!!」
その後、結局あたしも参戦して…
夕日に染まる海辺二人でビショビショになった。
そんな拷問だらけの初デート。
切ない潮風が頬を撫でた────。