大っ嫌いなアイツに恋をした。
ま、まさか……黒板写しといてくれなんて言って、あたしに答えを教えてくれてる?
……いや、待てよ。
橘のことだ
適当に答えを書いていてあたしに恥をかかせようとしてるにきまってる!
でも……さっきチラッと見た橘の顔はそんな風には見えなかった。
もう、何よ!
変なことしないでよ!!
混乱するじゃんバカっ!!
謎の葛藤の末、あたしは橘のノートを持って黒板に向かった。
震える手でチョークをもって公式を書いていく。
公式を書き終えたとき、数字の先生は拍手をした。
「この難問を解くなんてさすがだな!笹原!」
……え?
この公式あってるの!?
教壇から橘を見つめると、橘はさっきと同様、フッと笑っていた。