大っ嫌いなアイツに恋をした。



どういうこと?

橘はあたしを助けてくれたの?



どうして……?

どうしてそんなこと……



橘のノートを手に教壇からおりたとき
視界がグラッと揺れた。


そして、



「……おいっ笹原!」



先生のそんな声を最後に


あたしの意識は飛んで行った────。




◇◇◇



目が覚めると、白いカーテンの中にいた。

ここどこだ……消毒の匂いする。


あ、保健室か。



って、あたしどうして保健室なんかに……

額には濡れたタオルが置かれていた。


そのタオルを取って起き上がろうとすると頭がズキッと痛んだ。

顔も熱いし、どうしちゃったのあたし!



そのまま起き上がれず天井を見上げているとカーテンが勢いよく開いた。



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