大っ嫌いなアイツに恋をした。
「あら、お目覚めね。調子はどう?」
カーテンから顔を覗かせたのは保健室の先生。
30代にして抜群のスタイルと色っぽい雰囲気で人気な夏川先生だ。
因みに独身らしい。
夏川先生はあたしの額に手を付ける。
「ん〜、38度前後ってとこね。」
38度って……熱!?
「あ、あの……あたしどうなってここに……」
すると、夏川先生はふふっと笑った。
「笹原さんは授業中に倒れたのよ。」
授業中に?
そういえば……頭がフラフラしてた。
夏川先生はあたしの額に新しいタオルをのせると話を続けた。
「あたしビックリしちゃったのよ?橘くんが慌てた様子で保健室に入ってきたと思えば笹原さんを抱き上げてたんですもの。」
……え?
「た、橘が?」
橘ってあの橘!?
あのイジワルな?
「ええ、そうよ。そうとう心配してたみたいであたしが教室に帰りなさいって言わなければずっと側にいたと思うわ。」
なんて、夏川先生はふふっと笑った。