大っ嫌いなアイツに恋をした。
あたしは驚いて心臓が飛び出そうになった。
だって、橘があたしのかけている布団に顔を伏せて眠いたから。
腕の隙間から橘の端正な寝顔が見える。
な、何してんのよ……
ドキドキと、胸が音を立て
カアーっと頬が赤くなるのがわかる。
起きなさいよ、と叩き起こしてやろうか
なんて思ったけど思いとどまった。
こんなにぐっすり寝ているし…この寝顔を見ていたいと思ってしまったから。
あたしってばなんてことを……
ダメだ、やっぱり起こそう。
そう、橘に手を伸ばしたとき
橘はムクっと起き上がった。
少し目がトロンとした無防備な橘と目が合う。
橘はやばいと思ったらしく手の甲を口に当てた。
そんな姿にドキッとする。
「わ、わりぃ」
「…う、うん」
な、何。
この雰囲気は……!?