大っ嫌いなアイツに恋をした。
さっきの何のことだったんだろ……
気になるけど、この沈黙がそれを邪魔する。
橘はというと、学校を出てから無言だしなんだか機嫌が悪い。
何?何かした?
痺れを切らしたあたしは橘の顔を覗き込んだ。
「……何でそんな仏頂面なのよ。あたし何かした?」
すると、橘はあたしの顔を冷たく睨んだ。
「お前、和樹と自主練する約束してたのかよ」
あまりにも冷たい目であたしを見るから少し動揺した。
「…だったら何?あんたに関係ないでしょ」
あたしが誰と何しようが橘には関係ない。
「……あっそ」
橘はそれだけ言うと、その後は何も言わなかった。
あたしの家に着くまで無言状態は続いた。
何よ、何がそんなに気に入らないのかわからない。
あたしのことが気に入らないならそう言えばいいのに。