お試しカノジョ
楓くんとバイバイして3時間後。
わたしはお風呂から上がってテレビを見ているとスマホが振動した。
折原楓と書かれていたので、すぐ様スマホに飛びついた。
「もしもしっ」
『あっゆみちゃーん』
電話越しから楓くんの声。
楓くんとの電話は初めてだ。
耳元で聞こえる楓くんの声がくすぐったく感じる。
『思いついたよぉ、僕。作戦!』
「ほ、ほんと?」
『もちろん!これで夏子ちゃんもドキドキだよぉ』
ドキドキ…。
わたしも今ドキドキしてる。
ってこれは関係ないか。
『明日にでも3人でお話しようねぇ』
「うん」
『ところでー』
「うん」
少しでも雑音が入らないようにテレビの音量をゼロにした。
『夏子ちゃんに付き合ったこと言った?』
「言ってない」
『僕のワガママだったよね、今日ー』
「なにが?」
ワガママ?
『朝、言わないでみたいなことしたじゃん僕。ちょっと反省してるんだよねぇ』
「大丈夫だよ」
『えっとねぇ、あれ僕の気分だったから。やっぱり話しちゃっていいよ』
楓くんがワガママということは、噂が流れてたし喋り方とかでなんとなく分かる。
それに、わたしはずっと楓くんを見てたから、それくらい知ってる。