お試しカノジョ
伊藤くん、それ脅迫
次の日の朝、夏子から質問攻めにあったが、予想通りだ。
「歩美ちゃん、お昼3人で会議をしようと思うんだけどぉ」
休憩時間、楓くんがクラスにやってきてコソッと教えてくれた。
数人の女の子たちが楓くんに熱い視線を送っている。
本人も気づいてるんだろうけど。
わたしは面白くない。
「どうしたのぉ?そんな顔して」
「そんな顔?」
「ぶすぅってしてるもーん」
「ぶ、ぶす…」
少なからずショックを受ける。
「そんな顔も可愛いんだけどねぇ」
「…楓くんー?」
「あはは!じゃ、僕そろそろ戻るねぇ。
冬樹にはもう言ったからぁ」
ばいばい、と去っていく楓くん。
もうちょっと話したかったな…。