お試しカノジョ
「他にはどんな感じだった?」
「詳しく教えてぇ?」
え、う、うん。
2人の目がギラギラしてる。
「最初はすごい勢いでわたしのとこにやってきて……目をクワってさせてて…」
「ふんふん」
その後は確か…。
「あ、伊藤くんの方見て眉間にしわを寄せてた」
「冬樹の…。ちなみにそのとき、冬樹はなにしてたのぉ?」
「それって朝だよね。朝……なにしてたっけ」
うーん、と首を傾げる伊藤くん。
わたしはあのとき夏子の視線を追って伊藤くんを見た。
そのときは……。
「女の子数人と談笑してたよ、伊藤くん」
クラスメートと、他クラスの人たちと話しながら笑ってた気がする。
「……冬樹」
「うん」
「脈アリじゃない?」
「奇遇だね、俺もそう思った」
おぉー。
意思疎通というやつですね。