お試しカノジョ
「まだ確信は持てないけど、
夏子ちゃんが冬樹のこと好きな前提で話を進めるよぉ?」
楓くんは咳払いし、再び自慢気に胸を張る。
「またまた僕、良い考え思いついちゃったぁー!!」
「楓くんすごい」
「でしょでしょ!?もっと褒めてぇ!」
わたしの胸に頬ずりしながら抱き締める。
「はい、そこイチャつくな」
「うるさいな」
楓くんが低い声を出した…。
「あのね、さっきの実行してみない?」
「さっきの?」
「Aくんが告白するやつだよぉ」
あぁー。
1番最初の、提案。
「冬樹のこと好きになったなら、夏子ちゃんの中で色々と心境の変化があると思うんだぁ」
どういうこと?
わたしと伊藤くんは楓くんを凝視する。
そして楓くんはまた自分の考えをペラペラと喋り始めた。